こんにちは。赤ちゃん主導の離乳食BLWについて紹介しています。
BLWでどうしても気になるのが誤嚥(ごえん)の問題。
母乳やミルク以外のものを初めて食べる赤ちゃん。いきなり手づかみ食べなんて大丈夫?のどに食べ物を詰まらせたら?心配になってしまうパパママは多いですよね。
今回は、BLWと誤嚥の関係、知っておくべきポイントについてまとめました。
誤嚥って?
誤嚥とは、食べ物などが気管に入ってしまうこと。食べ物ではない異物を誤って飲み込んでしまう誤飲とは異なります。
最新の研究によると、従来の離乳食と比較して、BLWが誤嚥のリスクを高めるわけではないということが明らかになっています。
とはいえ、誤嚥の可能性はやはり心配ですよね。
誤嚥を防ぐために守りたい5つのこと
誤嚥を防ぐためにまず守りたい基本の安全対策は以下の5つです。
- まっすぐ座らせる
- 窒息の危険性がある食べ物を与えない
- 大人が食べさせない
- 食事に集中できる環境をつくる
- 赤ちゃんをひとりにしない
各項目について解説していきます。
まっすぐ座らせる
前かがみになったり後ろにもたれかかったりせず、まっすぐ座らせることが重要です。
と言っても、支えのない状態でしっかり長時間座っていられなければBLWを始められないという訳ではありません。
支えられてお座りができれば大丈夫。首と胴体がまっすぐになるようにしっかり支えて座らせてあげましょう。
パパママの膝の上であれば、しっかり手を添えて支えてあげてください。椅子に座っているのであればサポート用クッションを使ったり、丸めたタオルをお尻の周りにおいてあげるのもよいでしょう。
もたれかかった状態で食べさせるのは誤嚥の可能性を高めるためNG。
リクライニングチェアや、ベビーカー、チャイルドシートでは食べ物をあげないようにしましょう。
窒息の危険性がある食べ物を与えない
のどに詰まりやすい食べ物には気を付けましょう。
切り方や下ごしらえで対応できる場合がほとんどですが、なかには絶対的に避けるべき食べ物もあります。
注意が必要な食材は以下のとおりです。
- ナッツ類
歯ぐきで潰せず、唾液で溶けることもないため気管に詰まりやすく大変危険です。
3歳までは丸ごとのナッツ類は食べさせないようにしましょう。 - ぶどうやチェリートマトなどの小さくて丸いものは極めて喉に詰まりやすいです。
くし形に切ってからあげましょう。 - りんごや梨などのシャキシャキしたかたい果物。
煮るか、電子レンジでチンしてやわらかくしたものならOKです。 - にんじんやソーセージの輪切りなどコイン状のもの。
半分に切ってあげましょう。 - さくらんぼやオリーブの種は取り除きましょう。
- 肉の皮や筋などは取り除きましょう。噛み切れないため危険です。
- 魚の骨はのどに刺さる危険があります。注意して取り除きましょう。
大人が食べさせない
大人が食べさせるのはNGです。
BLWでは食べ物を口に運ぶのは赤ちゃん自身です。いつどうやって食べ物が口に入ってくるかを赤ちゃん自身がコントロールします。
最初の数週間はまったく食べなくても問題ありません。食べないからと言って、大人が食べさせないようにしてください。小さいお兄ちゃんやお姉ちゃんがいる場合も注意しましょう。
大人が食べさせるのはなぜダメなの?
どうして大人が食べさせちゃダメなの、と思った方もいるかもしれませんね。理由は2つ。
赤ちゃんの気持ちになって想像してみてください。パパママがあなたに何かを食べさせようとしています。その何かを確認したくありませんか。
私たちは無意識のうちに何がどのくらい口に入ってくるかをあらかじめ確認していて、どうやって咀嚼するかを考えているんです。これは誤嚥を防ぐためにとても大事なこと。
もちろん赤ちゃんはそこまで理論的に考えている訳ではありませんが、自分で食べるという行為を通じて、いろんな食べ物の食感や口に入る量の調節、咀嚼の仕方などを学んでいるんですね。
これが理由のひとつです。自分が把握していないものが口に入ってくるのは危険なんです。
もうひとつの理由は、手先の発達と咀嚼スキルの発達には関連があるためです。
生後6ヵ月頃、離乳食を始めたばかりの赤ちゃんは、レーズンやグリーンピースなどの小さな食べ物をつかむことができません。
これらの食べ物は舌の上で転がりまわってしまうため、この月例の赤ちゃんには危険なのですが、つかむことができなければもちろん口の中に入ってきませんね。
ところが生後9ヵ月頃になると、親指と人差し指で小さなものをつまめるようになり、またこの頃になると咀嚼するのも上手になっているため、グリーンピースも上手に食べることができます。
これが理由の2つ目。手先の発達と咀嚼スキルの発達には関連があり、口に入れることができる=安全に食べることができる、とBLWでは考えています。
以上が大人が食べさせてはいけない理由です。自分で食べ物を口に運ぶこと、自分の口に入るものをコントロールすることはとても大切なんです。
食事に集中できる環境をつくる
赤ちゃんが食事に集中できるような環境を整えてあげてください。テレビは消して、スマホいじりもやめましょう。
急がせたり、気を散らさせたりしないように。安全に食べるためには時間と集中力が必要です。
赤ちゃんをひとりにしない
赤ちゃんが自分で食べるからと言って、食事中ひとりにしてはいけません。もしもの場合に備えて、親は隣にいて見守っていてあげましょう。
大人の食事時間にあわせてあげると、赤ちゃんを見守りつついっしょに食事が楽しめるのでいいですね。
これって誤嚥?
この章では、誤嚥と間違われやすい現象について解説します。
おえっとえずく、食べ物を吐き出してしまう
おえっと食べ物を吐き出してしまうことがあるかもしれません。
これは誤嚥と間違われやすいですが、実は誤嚥を防ぐための正常な反応で、もし起こっても何事もなかったように食事を続ける赤ちゃんが多いです。
この反応を体感するには、指を口に入れて舌の根本ののどに近い部分を指でおしてみてください。
舌が前に物を押し出すように動いて、同時に気道が閉じて呼吸が止まるのが分かると思います。これが食べ物を吐き出してしまう原理です。
赤ちゃんの場合、この反応はもっと浅いところ、気管からずっと遠い舌の前のほうでも起こることが分かっています。
ですので、赤ちゃんがおえっと食べ物を吐き出すことがあっても、これは誤嚥ではありません。
むせる、咳き込む
赤ちゃんがむせてしまうことがあるかもしれませんが、これも「おえっ」と同じく、誤嚥を防ぐための正常な反応です。
「おえっ」との違いは、むせている最中は気道は開いていて、空気の流れ(咳)によって異物を外に押し出そうとしていること。また、小さなものによって引き起こされることが多いです。
ビスケットの小さなかけらなどを吸い込んだ時を想像すると分かりやすいですね。
心配になってしまうかもしれませんが、赤ちゃんが自分で問題を解決しようとしているということ。必ずしも焦って背中を叩いたりする必要はなく、見守っていてあげれば解決することがほとんどです。
誤嚥が起こったら?対処法は?
実際に誤嚥が起こることはとても稀です。
「おえっ」と咳でも防ぎきれなかった時に起こり、食物がのどに詰まって呼吸ができなくなります。
咳をすることもできず、一刻も早く助けが必要です。もしもの時のために、救急法を学んでおきましょう。
まとめ
まずは、誤嚥を防ぐためにできる5つの安全対策を実行しましょう。
- まっすぐ座らせる
- 窒息の危険性がある食べ物を与えない
- 大人が食べさせない
- 食事に集中できる環境をつくる
- 赤ちゃんをひとりにしない
おえっと食べ物を吐き出したり、むせたりすることはあるかもしれませんが、これらは誤嚥を防ぐための正常な反応。過剰に心配し過ぎる必要はありません。
BLWが誤嚥のリスクを高めるわけではないということが研究から明らかになっていますし、実際に誤嚥が起こることは稀です。
とはいえ、もし起こった時は大変危険。
日々の安全対策はもちろんのこと、BLWを行っているかどうかにかかわらず、乳幼児のお世話をする方は、救急法を学んでおきましょう。
赤ちゃんと安全で楽しい食卓を囲めますように。
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