こんにちは。
「お片づけをしたからお菓子あげるね」、「お手伝いしなかったからおやつ抜き!」このようなことをした、あるいは小さい頃にされたという経験は多くの人がお持ちではないでしょうか。
よくあることなので深く考えたことはないかもしれませんが、でも食べ物をご褒美に使うのって本当のところどうなんでしょうか。BLW的にはOK?NG?
今回の記事は、この点について深堀りして解説していきます。
食べ物をご褒美にすると子どもに何が起こる?
子どもが成長して知恵がついてくると、何かよい行いへのご褒美として食べ物をあげるといった戦略が有効になってきます。
けれど、食べ物を食欲そのもの以外と結びつけるのは、”お腹が空いたから食べる”という食べ物に対する基本的な姿勢をゆがめてしまう可能性があり、長い目で見ると重大な問題に発展することもあります。
ますは、食べ物をご褒美として使用した時に何が起こるのか、3つ整理していきましょう。
ご褒美を他の食べ物よりも優れたものと感じ始める
何かよいことをしたときにあげるご褒美としての食べ物にはそんなに害がないように感じるかもしれません。
けれど、そのご褒美がお皿いっぱいの野菜ということはないですよね。
どうしても、ご褒美としての特別感のあるチョコレートやクッキー、アイスクリームなどのお菓子になりがちです。
そもそも子どもは味覚的に甘味や塩味を好むことが多いですが、これらをご褒美として使用するとすぐに、これらのお菓子を特に美味しい、優れている、好ましいと感じるようになってしまいます。
要求がエスカレートする
要求がどんどんエスカレートしていくことがあります。
もっと美味しいものをもっといっぱい、あるいは食べ物の枠を超えて目新しい高いおもちゃを欲しがるなど、要求するものが大きくなっていくかもしれません。
見返りを求めて行動するようになる
「お菓子が食べられるからお片づけする」というふうに、行動のモチベーションがご褒美になってしまいます。
これは逆に言うと、ご褒美がないと行動しないということ。
損得勘定だけで動くような人間になってしまう可能性も考えられます。
食べ物をわいろや罰として使うのは?
何かをしてもらうためにお菓子をあげる、何かをしなかったからおやつをあげないといった風に、食べ物をわいろや罰として使うことにも同様の問題があります。
もしあなたが、「チョコレートをあげるからいい子にしてて」とか、「ごはんを全部食べなかっかたらデザートはなしだよ」とか言っていたら危険信号。
子どもはすぐに、おやつがもらえるからいい子にするようになりますし、もしくはデザートを食べるためにごはんを片付けなきゃと考えるようになります。
もちろんデザートを食べること自体が悪い事だと言うつもりはありませんが、デザートを食べるためにごはんを食べるという考え方は問題です。
BLW的にはOK?NG?
上記のように食べ物をご褒美や罰として使用することに関して、BLWは大反対です。
なぜなら、これらは体が欲するものを必要な分だけ食べる、赤ちゃんの食欲を信じるというBLWの理念とは正反対だからです。
子どもが泣いているときやぐずっている時、ご機嫌斜めの時、子どもにお菓子を与えて機嫌よくさせるのはとても簡単ですし魅力的ですが、極力避けるように心がけましょう。
食べ物をこのように使うことはその場しのぎで効果には持続性がありませんし、ストレスを感じると甘いものを食べるといった悪習にもつながりかねません。
今は楽でも、後々大変なことになってしまうかもしれませんよ。
食べ物以外で子どものやる気を引き出す方法って?
とは言っても、食べ物をご褒美として使う作戦は即効性がありますし、ついついやってしまいそうになりますよね。
そんな時に食べ物に代わるものとしては何があるでしょうか。ここでは2つ紹介します。
スキンシップが一番。抱っこやキスを試してみて
まずおすすめしたいのは抱っこやキスなどのスキンシップです。
子どもが本当に欲しいものは食べ物ではなく親の注目や愛情である場合が多く、スキンシップは愛情を示す極めて有効な手段です。
日本では文化的にあまりスキンシップが盛んではないという背景はありますが、べったりスキンシップをさせてくれるのも子どもが小さいうちだけですし、まずは抱っこやキスを試してみましょう。
言葉で誉めるのも有効
シンプルに言葉で褒めるのもよい手段です。
面白いもので、ご褒美が大きいとご褒美目当てにしか行動しなくなるのですが、褒め言葉のようなささやかなご褒美だと、最初は褒めてもらいたいから手伝うのが次第に手伝うことによっていろいろなことができるようになって楽しいから手伝うという風に、ご褒美が目当てではなく行動するようになるそうです。
どちらも簡単にできる方法なので、一度試してみてはいかがでしょうか。
まとめ
食べ物をご褒美や罰として使用することは、BLWでは全くおすすめしません。
体が欲するものを必要な分だけ食べる、赤ちゃんの食欲を信じるというBLWの理念とは正反対だからです。
子どもにお菓子を与えて機嫌よくさせるのはとても簡単なのでついついやってしまいそうになりますが、以下のような結果につながり長い目で見てもデメリットが大きいので、極力避けるようにしましょう。
- ご褒美でもらう食べ物(お菓子などの場合が多い)を特に好むようになる
- もっと美味しいものをもっとちょうだい!と要求がエスカレートする
- ご褒美のために行動するようになる(ご褒美がないと行動しなくなる)
子どもが本当に欲しいのは食べ物ではなく、抱っこやスキンシップ、誉め言葉である場合も多いですよ。
今回の記事は書きながら、ああこれ私やってるな…と耳の痛いものでした。
子どもがぐずっている時、食べ物で釣るのが一番簡単な方法なんですよね。
特に忙しい時ほどさっと食べ物を与えて、お願いだからちょっといい子にしていてと言ってしまいそうになるのですが、これからはほんの少し手を止めて、子どもを抱きしめて向き合ってみようと思います。
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