赤ちゃんの誕生はとてもドラマチックな出来事。無事に産まれて欲しいと願うものの、予定日より少し早めに産まれてくる赤ちゃんもいますね。
今回は、早く産まれた場合や特別なケースでもBLWを行えるかどうかについて解説しています。
早産とは?
まずは早産の定義について簡潔に説明します。
早産とは正期産より前の出産のことであり、正期産とは妊娠37週0日から妊娠41週6日までの出産のことをいいます。
日本では妊娠22週0日から妊娠36週6日までの出産を早産と呼びます。
つまり、早産児とは妊娠22週以上37週未満で産まれてきた赤ちゃんのことを指します。
早く産まれた場合はBLWはできるの?
では、早めに産まれた場合、BLWを行っていいのでしょうか?
結論から言うと、ケースバイケースです。
一口に早産児といっても、どれだけ早く産まれたかによって大きく異なります。
早産で生まれた赤ちゃんのなかでも35週以降に生まれた赤ちゃんは、比較的、機能も体重も正期産児に近く、特別な医療的処置をする必要がない場合もあります。ほとんどの場合、発達上の心配もありません。
このような場合は、おそらくBLWを行うことができるでしょう。
一方、在胎30週未満で生まれた赤ちゃんは、体重も約1500g未満で体の機能も未熟な点が多いため、十分に発達するまでNICU(新生児集中治療室)などで養育・治療します。
このように身体の機能が未熟な状態で産まれた赤ちゃんは、通常とは異なる時期や方法で離乳食を始める必要があるかもしれません。
また単に未熟な状態で産まれたというだけではなく、例えば病気だったりといった理由があって早く産まれたのかもしれません。
そのため早産児といってもいろいろで、BLWができる、できないといった画一的な回答はできません。
早産児がBLWを行えないケースって?
では、早産児がBLWを行えないケースについて詳しく見ていきましょう。
BLWは基本的には正産期で生まれた赤ちゃんを対象にしています。
というのも正期産児の場合、赤ちゃんが栄養的な意味で離乳食が必要になる時期と、食べ物をつかんで口まで運んだり咀嚼したりという、赤ちゃんの自分で食べる能力の発達がおおよそ一致するからです。
このため、一般的に6ヵ月頃から手づかみ食べのBLWを始めることができるわけです。
しかし、早産児の場合はすこし事情が異なります。
早産児の成長は実際に産まれた日ではなく、出産予定日を基準にした修正月齢で考える必要があります。
例えば、予定日より2ヵ月早く産まれた赤ちゃんが食べ物に興味を示したり手を伸ばしたりする時期はおそらく修正月齢で6ヵ月ごろ、つまり6ヵ月に2ヵ月プラスした8ヵ月頃になるだろうと考えられます。
では、単純に修正月齢で6ヵ月にあたる時期からBLWを始めればいいのかというと、必ずしもそうではありません。
もちろん早産で産まれても発育が順調で、BLWを行うことができる場合もあるでしょう。
しかし、予定日より2ヵ月早く産まれた赤ちゃんが、8ヵ月(修正月齢6ヵ月)になり離乳食を始める前に栄養が必要になることは十分あり得ることです。
と言うのも、赤ちゃんは鉄分などの栄養分をママのお腹にいる間にある程度蓄えてから産まれてくるのですが、早産児の場合、十分な量を蓄える前に産まれたと考えられます。
そして、8ヵ月以前に栄養の摂取が必要になる場合、まだ自分で食べる能力の発達が追い付いていないことが予想されます。
この場合は何らかのサポートが必要になるかもしれず、BLWを導入することは難しいかもしれません。
早産児の離乳食の実際って?
低出生体重児の離乳に関する研究は極めて少なく、科学的根拠を持った低出生体重児に関する離乳のガイドラインは存在しません。
そのため医療者側も、導入の時期や進め方、摂取量について明確に回答出来ないことも多いようです。
実は、小さく産まれた赤ちゃんと離乳食の関係に関しては、あまりよくわかっていません。
離乳食を開始する時期や進め方についても明確な回答や指針はないのが現状です。
修正月齢をもとに離乳食を開始することが多いですが、修正月齢を用いてもうまく進まない場合もあり、個々の赤ちゃんそれぞれの状況を鑑みて対応する必要があります。
小児科医や栄養士など専門家に相談しながら、焦らずに進めるのがよいでしょう。
特別なケースは?
発達がゆっくりであったり特別なサポートが必要である赤ちゃんの場合はどうでしょうか。
BLWは基本的には正常な発育の赤ちゃんを対象としていますが、どんなケースであれ、できる範囲で赤ちゃん主導の食事の機会を作ってあげることが大切だと考えています。
特別なケースでは、スプーンあげが必要な場合や、専門家のサポートを必要とする場合もあるでしょう。
自分で食べるスキルを習得するのにとても長い時間がかかるかもしれませんし、もしかしたら不可能に思えるかもしれません。
しかし、だからと言って、大人と一緒に食事をする機会や自分で食べる機会を完全に排除してしまうべきではありません。
一部BLWを取り入れるだけでも、自尊心を育てたり、食事を楽しんだりというBLWのメリットを得ることができます。
まとめ
早く産まれた場合や特別な場合は、BLWを行えるかどうかはケースバイケースです。専門家に相談して離乳食を進めるようにしましょう。
ただし、何らかの理由により厳密な意味でのBLWを行えない場合でも、出来る範囲で赤ちゃん主導を取り入れたり、家族と一緒に食事を食べたりといったBLWのやり方を一部取り入れることは可能です。
食事は人生の大きな楽しみの一つです。
何が何でもBLW!とこだわる必要は全くありませんが、どんなケースであれ赤ちゃんが楽しいと思える食事ができるとよいですね。
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