BLWベビーは体に必要な食べ物を知っているって本当?

考え方
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こんにちは。BLWは食べる量も速さも、何を食べるか食べないかも赤ちゃん任せの離乳食。

赤ちゃんは体に必要な食べ物を知っていると信じています。

とは言っても、好きなものばかり食べたり嫌いなものには手を着けなかったり、バランスよく食べてくれないと心配になってしまいますよね。

今回の記事は、BLWベビーは体に必要な食べ物を知っているって本当?本当に好きに食べさせていいの?栄養が偏ったり成長に影響が出たりしない?

と疑問や不安をお持ちの方向けです。興味のある方は本記事をご覧ください。

BLWベビーは体に必要な食べ物を知っているって本当?

この問いに答えることは難しいです。

赤ちゃんはしゃべることはできませんし、この疑問に関して調べられた研究もほとんどありません。

ただし、BLWを行っているパパママに聞いてみると、各食事でみると栄養バランスが偏っているように見えても、1週間単位でみるととてもバランスの取れた食生活になっているので驚いたという意見が多く聞かれます。

BLWで肥満になることは実は少ないということを示した研究結果もあります。

赤ちゃんに自由に食べさせると起こることって?

先ほど赤ちゃんは体に必要な食べ物を知っているのか、という疑問に関して調べられた研究はほとんどないと述べましたが、その中でも1920年代にアメリカの小児科医クララ・デイビスによって行われた研究は、数々の論文に引用された興味深い研究ですのでご紹介します。

クララ・デイビスのSelf-selection experiment

1920年代、医師のクララ・デイビスは、赤ちゃんや幼児は何を食べるべきか本能的に知っていると信じていました。

そこで彼女は、もし子どもたちに食べるものを自由に選ばせたら何が起こるのかを実験することにしました。

7ヵ月から9ヵ月の赤ちゃんを集め、33種類の食べ物(牛乳、りんご、にんじん、カリフラワー、オートミール、牛肉、鶏肉、卵、魚、じゃがいもなど)から好きなものを選んで食べさせるという実験を行いました。

食材はすべて単品、味付けはなし、細かく刻むかすりつぶした状態で提供され、赤ちゃんは自分自身で食べるか、あるいは明確に食べ物を指さした場合のみ、看護師によってスプーンで食材を与えられました。

実験の結果、驚くことに、すべての赤ちゃんが非常にバランスの取れた食事を選んだことが明らかになりました。

1食や1日の単位でみると食事内容が偏ることはありましたが(赤ちゃんの1人は、何と1日に7個もの卵を食べたそうです!)、平均して考えると非常にバランスが取れていました。

すべての赤ちゃんがいろんな食材によく挑戦し、実験を始めた段階では栄養状態が悪く健康とは言えなかった赤ちゃんも含め全員が、実験終了後にはとてもよい健康状態になったようです。

この当時、離乳食として赤ちゃんに何を与えるかは厳密に制限されていて(主にシリアルと牛乳)、クララ・デイビス医師の様々な食材を与えることが大切であるという研究結果は非常にセンセーショナルなものであったようです。

100年近く前の論文ですが、赤ちゃんは体に必要な栄養を本能的に知っているという証拠として、今でも広く引き合いに出されている研究です。

参考文献:Self Selection of Diets by Newly Weaned Infants

好きなものばかり食べさせてもいいの?

では、赤ちゃんは体に必要な食べ物を知っていると信じて、好きなものばかり食べさせてもいいのでしょうか。

誤解されやすいのですが、BLWは好きなものばかり食べさせる離乳食方法というわけではありません。いろいろな食材を提供して何を食べるかを赤ちゃんに選ばせる、食べなくても無理強いしないというやり方です。

重要なポイントはいろいろな食材を提供するということ。

好きな食べ物ももちろん出してあげてかまいませんが、以前食べなかったからといって今回も食べないだろうと推量せず、時々はあげてみて様子をみてみましょう。

食べない場合はそれでいいですし、気が向いて口にすることもあるかもしれません。

そうしているうちにいろんなものを食べて自然とバランスが取れてきますので、くれぐれもいろんな食材を提供したうえで赤ちゃんに選ばせるということを忘れないでください。

好きなものしか食べない場合は?体験談まとめました

とは言っても好きなものしか食べてくれない!どうすればいいの!とお悩みの方へ、同様のお悩みをお持ちのパパママの体験談をピックアップしてみました。

もしよければ参考にしてみてください。

バナナヨーグルトしか食べない子

離乳食を始めると、やわらかくしたり、硬めにしたり、味付けを変えたりしたものの、ほとんど食べてくれず、食べるメニューはバナナヨーグルトのみでした。(中略)

でも他の料理を作る事もやめず、まず他の料理を出し、それを嫌がったら最終手段としてバナナヨーグルトという感じにしました。(中略)

その後も野菜は食べても肉、魚はダメという時期もありましたが細かく切ったり、とりあえずは食卓に並べてすすめることはやめませんでした。

そのおかげか、3歳をすぎた今ではほとんど好き嫌いせず、何でも食べられるようになりました。 (体験談当時の年齢:0歳7ヵ月頃〜0歳8ヵ月頃)

出典:ベネッセ  教育情報サイト 『離乳食を食べてくれない子、こんな工夫をしてみました』

バナナヨーグルトしか食べずお悩みの7ヵ月の女の子のママの体験談です。

いろんな料理を食卓に出し、どうしても食べない場合はバナナヨーグルトを食べさせるという方法を続けた結果、3歳を過ぎると何でも食べられるようになったそうです。

作っても食べてもらえず辛い思いをした時期もあったと思いますが、ママの粘り勝ちといったところでしょうか。

牛乳・パン・ぶどう。好きなものばかり与えても大丈夫?

Q. 2歳になる息子はとても食が偏っていて、確実に食べてくれるのは、牛乳・パン・ぶどうです。ほかの食材も食べてもらえるように、食事も工夫するのですが、まったく食べてくれません。

何も食べないよりはと思って、結局は好きなものを与えてしまっています。(中略)好きなものばかり与えても問題ないのでしょうか?(2歳1か月の男の子をもつパパより)

A. 2歳前後は極端な偏食になることがある時期です。これはずっと続くわけではありませんので、しばらく見守ってあげましょう。無理に嫌いなものを食べさせる必要はありません。

でも、そういう時期だからと言って、毎回好きなものばかりを与えるのではなく、他のものを食べてくれるように工夫したり、隙を見て与えてみたりすることは、とても大切です。(中略)

偏食で栄養不足ではないかと心配かとは思いますが、(中略)私が過去に聞いた中には、ご飯と氷しか食べない子もいて、それが半年続いていました。

でも、時期を過ぎれば、他のものも食べるようになって、元気に過ごしているようです。

出典:NHKエデュケーショナル すくコム『好きなものしか食べないのは大丈夫?』

いつも好きなものしか食べない2歳の男の子のパパは困り果てていましたが、専門家の回答では、子どもの偏食はよくあることなので無理に嫌いなものを食べさせる必要はないということでした。

ただし、だからといって好きなものばかりを与えるのではなく、他のものをあげてみたりする工夫がとても大事ということです。

決まったものしか食べません(困)

Q. 1歳3ヵ月になりますが、今食べるものは白米、パン、ミックスベジタブル、うどんです。これに細かく切った野菜などを入れると一切食べようとしません。野菜を食べてもらいたいのですが、どうやっても食べてくれなくて毎回困っています。(1歳・男児)

A. 1歳3ヵ月で決まったものだけしか食べない、というのはよくあることです。どうか心配なさらないでください。(中略)

お子さんの体重や身長はいかがですか?成長曲線から大きく外れるようなことがなければ、心配しすぎることはありません。(中略)

食べ物=栄養をとるものという意識はまだまだありません。たくさん遊んで、お腹が空いて、食べて、出して、寝る。そのリズムができてくれば、いろいろな種類の食べ物を自然に食べるようになりますよ。ゆったり見守ってあげてくださいね!

出典:HAPIKU(ハピク)食育 『決まったものしか食べません』

こちらの1歳の男の子は、炭水化物とミックスベジタブル以外はどうしても食べてくれず困っていたそう。

保育士さんからの回答では、やはりこの年代ではよくあることで、体重や身長が成長曲線から大きく外れていなければ栄養面での心配もさほどしなくていいとのこと。

ゆっくり見守っていれば次第にいろいろ食べるようになりますよ、とのアドバイスでした。

まとめ

BLWベビーが体に必要な食べ物を知っているのかどうか、本当のところは分かりませんが、BLWを行った場合、結果的にバランスの取れた食生活になったので驚いたという声は多く聞かれます。

同時に、赤ちゃんに任せていると好きなものしか食べてくれないとお悩みの声も多いですが、これは一時的なものである場合が多いので、たとえ食べてくれなくてもいろいろな食材を提供しつつゆっくりと見守る姿勢が大事なようです。

栄養面では過剰に心配をし過ぎず、いろいろな料理を食卓に出しつつ長い目で見守ること!

離乳食の悩みは本当に尽きないものですね。

あれこれと心配になってしまう気持ちはわかりますが、あまり突き詰めて考え過ぎず赤ちゃんのやり方を信じてあげるのがBLWなのかもしれません。

少し肩の力を抜いて赤ちゃんを信じてみてはいかがでしょうか。

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